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文献詳細

雑誌文献

精神医学47巻3号

2005年03月発行

文献概要

研究と報告

LASMIとWCSTによる統合失調症患者の退院可能性の評価

著者: 川西洋一12 袴塚景子1

所属機関: 1豊後荘病院 2筑波大学臨床医学系精神医学

ページ範囲:P.291 - P.295

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抄録
 長期入院中の慢性統合失調症患者の生活障害と認知障害が退院に及ぼす影響を調べるため,これらを精神障害者社会生活評価尺度(Life Assessment Scale for the Mentally Ill:LASMI)とWisconsin Card Sorting Test(WCST)を用いて評価し,転帰との関連を調査した。対象は,社会復帰病棟に在棟し単身生活や社会復帰施設への退院を目指す患者14名であり,1年6か月後の転帰により,退院群7名と入院継続群7名に二分された。2群間でLASMIとWCSTのスコアを比較したところ,LASMIにおいては,「日常生活」,「労働または課題の遂行」,「自己認識」が退院群において有意に評価がよいという結果が得られ,WCSTにおいては,「達成カテゴリー数」,「正解数」,「%エラー」の評価が退院群で有意によいという結果が得られた。行動観察から得られる生活障害の評価に加え,その背景にある認知障害の評価も退院可能性を評価する際の重要な指標になると考えられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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