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文献詳細

雑誌文献

精神医学47巻3号

2005年03月発行

文献概要

特別寄稿

日本の精神医学・医療研究の現状と課題―特に研究費の側面から

著者: 高橋清久1

所属機関: 1藍野大学

ページ範囲:P.321 - P.330

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 わが国の精神医学・医療研究の歴史は古いが,比較的豊富な研究費の下に研究が体系化されてきたのはごく最近のことである。また,研究が目指す方向性をみても,これまではかたや精神病理学的研究があり,こなた生物学的研究があり,その双方ともに診断・治療・支援など真に当事者やその家族に役立つ研究という視点は乏しかった。その多くは研究者の興味のおもむくままに研究が相互の関連なく行われてきていたという観がある。やっとこの10数年の間に,診断と治療のためのガイドライン研究や精神疾患の予防研究,介入疫学研究など主として厚生労働科学研究事業や精神神経疾患委託費班研究の活動を中心として,臨床に役立つ研究を行おうとする機運が生まれてきた。特に最近,厚生労働科学研究事業に大型の研究費がつき,その中で行政的研究も含めて,精神医療の現場に還元し得るような研究が進められているのは喜ばしいことである。
 本稿では,主として研究費や研究体制の面から,わが国の精神医学・医療研究の現状を分析し,今後の方向性について論じてみたい。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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