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研究と報告
高齢期うつ病の退院1年後経過と再入院の危険因子―非高齢期うつ病と比較して
著者: 寺田倫1
所属機関: 1東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科精神行動医科学分野
ページ範囲:P.379 - P.384
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高齢期うつ病75例を対象に,入院から退院1年後までの経過と,経過に関連がある因子を調べ,非高齢期うつ病例と比較した。高齢期うつ病例の経過は,経過良好だった例42.7%,再入院例30.7%,痴呆の症状が認められた例24.0%,身体合併症で転院になった例2.7%だった。非高齢期うつ病例に比べ,経過が良好だった患者の割合は有意に低かった(高齢期42.7%,非高齢期75.4%)。高齢期うつ病で再入院した例は,脳の虚血性変化のみられる率が有意に高く,心理社会機能評価において社会機能の得点が低かった。高齢期うつ病の中には,器質性変化が大きく関与し経過が不良なうつ病の一群が存在することが示唆された。
高齢期うつ病75例を対象に,入院から退院1年後までの経過と,経過に関連がある因子を調べ,非高齢期うつ病例と比較した。高齢期うつ病例の経過は,経過良好だった例42.7%,再入院例30.7%,痴呆の症状が認められた例24.0%,身体合併症で転院になった例2.7%だった。非高齢期うつ病例に比べ,経過が良好だった患者の割合は有意に低かった(高齢期42.7%,非高齢期75.4%)。高齢期うつ病で再入院した例は,脳の虚血性変化のみられる率が有意に高く,心理社会機能評価において社会機能の得点が低かった。高齢期うつ病の中には,器質性変化が大きく関与し経過が不良なうつ病の一群が存在することが示唆された。
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