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文献詳細

雑誌文献

精神医学47巻5号

2005年05月発行

研究と報告

Social Adaptation Self-evaluation Scale(SASS)日本語版の信頼性および妥当性

著者: 後藤牧子1 上田展久2 吉村玲児1 柿原慎吾1 加治恭子1 山田恭久1 新開浩二1 中島満美3 岩田昇4 樋口輝彦5 中村純1

所属機関: 1産業医科大学精神医学教室 2青森労災病院神経科・勤労者メンタルヘルスセンター 3小嶺江藤病院 4広島国際大学人間環境学部臨床心理学科 5国立精神・神経センター武蔵病院

ページ範囲:P.483 - P.489

文献概要

抄録
 うつ病者の社会適応状態の自己記入式評価尺度であるSocial Adaptation Self-evaluation Scale(SASS)の日本語版を作成し,日本人における信頼性,妥当性を検討した。Cronbachのα係数はうつ病患者で0.85,健常者で0.76,また再検査法(2週間の間隔)でも相関係数0.79と,十分な信頼性が確認された。因子分析では,対人関係,興味や好奇心,自己認識の3つの因子が抽出された。SASSはHamiltonうつ病評価尺度(Ham-D)およびBeck Depression Inventory(BDI)と有意な負の相関を示した。また,うつ病非寛解群はうつ病寛解群に比べ有意にSASS得点が低かった。以上の結果より,SASS日本語版はうつ病の社会適応状態の評価尺度として,十分な信頼性と妥当性を有することが示唆された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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