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研究と報告
唾液中バルプロ酸(VPA)濃度測定による在宅TDMの試み(2)
著者: 斎藤百枝美1 江戸清人1 石川大道2 疋田雅之2 管るみ子2 渡部学2 上島雅彦3 長井俊彦4 吉田浩4 丹羽真一2
所属機関: 1福島県立医科大学医学部附属病院薬剤部 2福島県立医科大学神経精神科 3竹田綜合病院精神科 4福島県立医科大学医学部附属病院検査部
ページ範囲:P.509 - P.513
文献購入ページに移動我々は唾液中バルプロ酸(VPA)濃度を測定することによる在宅TDMを実施し,その治療的意義と有用性に関して検討した。基礎試験において,在宅での唾液中VPAの保存安定性の検討を行い,在宅での唾液保存条件においても唾液中VPAは安定であった。また,福島医大病院神経精神科通院中のVPA服用患者を対象とし,唾液中VPA濃度と血清総濃度,遊離型濃度との相関性を検討し,それぞれ強い正の相関(n=74,r=0.71,r=0.77)を認めた。
今回,福島医大病院神経精神科通院中のVPA服用患者25名(男性11名,女性14名,平均年齢28.8歳)を対象とし,在宅での7回の唾液採取によるTDMを実施した。この結果,予想血清総VPA濃度と唾液中VPA濃度には正の相関が認められた(r=0.60)。これらの結果から,在宅での唾液を試料としたVPAのTDMは臨床上有用性が高いと考えられる。
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