文献詳細
研究と報告
女子高校生における自傷行為―喫煙・飲酒,ピアス,過食傾向との関係
著者: 山口亜希子1 松本俊彦2
所属機関: 1関東学院大学カウンセリング・センター 2国立精神・神経センター精神保健研究所司法精神医学研究部
ページ範囲:P.515 - P.522
文献概要
女子高校生126名を対象に自記式調査票を用いて,自傷,喫煙・飲酒,過食,ピアスの経験に関する調査を実施した。女子高校生の14.3%に少なくとも1回の「身体を切る」自傷行為の経験があり,6.3%が10回以上の自傷行為の経験があった。また,自傷経験者では,非経験者に比べて,喫煙・飲酒経験,ピアスの経験が有意に多く認められた。さらに,自傷経験者では,過食経験のある者が有意に多く,10回以上の自傷経験者では,非経験者よりも,大食症質問票の得点が有意に高かった。以上より,「自分を傷つけること」「食べ過ぎてしまうこと」「嗜好物質によって気分を変えること」の間には,密接な関係がある可能性が示唆された。
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