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研究と報告
がん患者の抑うつに対する簡易スクリーニング法の開発―1質問法と2質問法の有用性の検討
著者: 川瀬英理1 下津咲絵2 今里栄枝3 唐澤久美子4 伊藤佳菜4 齋藤アンネ優子4 松岡豊2 堀川直史5
所属機関: 1東京大学保健センター 2国立精神・神経センター精神保健研究所 3小川クリニック 4順天堂大学医学部附属順天堂医院放射線科 5埼玉医科大学神経精神科
ページ範囲:P.531 - P.536
文献購入ページに移動がん患者の抑うつに対する簡便なスクリーニング方法を検討するために,放射線治療中または治療歴があるがん患者238名を対象に放射線科担当医による口頭での1質問法,自己記入式の2質問法を実施した。同時にSCIDによる構造化面接を実施し,大うつ病性エピソードと小うつ病性障害を合わせた診断を外的基準とした。ROC(Receiver Operating Characteristic)分析の結果,1質問法はROC曲線以下の面積(AUC)が小さく,感度55%,特異度84%であり,その有用性が低いことが明らかにされた。一方,2質問法は,AUCが大きく,カットオフ値を1/2点としたとき,感度100%,特異度79%であり,簡便で有用なスクリーニング方法であることが明らかにされた。
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