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短報
レビー小体型痴呆に伴うBPSDにQuetiapineが奏功した1例
著者: 滝沢龍1 大前晋1 上瀬大樹1 笠井清登1 亀山征史2 百瀬敏光2 加藤進昌1
所属機関: 1東京大学大学院医学系研究科精神医学分野 2東京大学大学院医学系研究科放射線医学講座
ページ範囲:P.543 - P.546
文献購入ページに移動レビー小体型痴呆(以下,DLBと略す)は痴呆とパーキンソン症状を主症状とする変性性痴呆の一型である。他の変性疾患と異なる特徴として,注意や覚醒レベルの変動を伴う認知機能の動揺,現実的で詳細な内容の繰り返される幻視体験などの特徴的な症状や抗精神病薬への過敏性などが挙げられる6)。
昨今の痴呆臨床において,痴呆に中核的な記銘力・見当識・判断力・認知機能などの障害だけでなく,これらの障害から二次的に出現する焦燥,不眠,攻撃的な言動,徘徊,幻覚,妄想,せん妄などの精神・行動障害が注目されている。こうしたBPSD3)は,中核症状にまして在宅での生活を困難とするため,薬物療法が必要となることも多い。
今回我々は,DLBの臨床診断基準6)を満たす1症例について,最近注目されているF-Dopa PET,123I-MIBG 心筋シンチグラフィーを用いた画像検査7)による評価を診断に適用した。さらに,DLBでは特に従来の定型抗精神病薬の使用が困難とされているが,本症例では非定型抗精神病薬であるquetiapineの使用によって大きな副作用を伴わずにBPSDの改善をみたので報告する。
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