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短報
薬物乱用が初発症状であったchorea-acanthocytosisの1例
著者: 齊藤清子1 和気洋介2 寺田整司2 宮田信司2 氏家寛2 黒田重利2
所属機関: 1由良病院 2岡山大学大学院医歯学総合研究科精神神経病態学教室
ページ範囲:P.553 - P.556
文献購入ページに移動Chorea-acanthocytosis(ChAc)は成人発症で,口周囲の不随意運動および頭部四肢の舞踏病様不随意運動,深部腱反射の低下あるいは消失,咬唇・咬舌などの自傷行為を臨床的特徴とする原因不明の神経変性疾患である4)。口周囲の不随意運動が初発症状である症例が多く,精神症状で発症する例はまれである6)。
今回我々は,49歳時に薬物乱用にて発症し,引き続き緩徐に進行する不随意運動のため,57歳時にChAcと診断された1例を経験した。初発症状としての人格変化が目立った例であり,ChAcの病態を理解する上で貴重な症例と考え,報告する。
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