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文献詳細

雑誌文献

精神医学47巻6号

2005年06月発行

文献概要

展望

統合失調症の転帰に関する文化精神医学知見

著者: 野口正行1 加藤敏2

所属機関: 1佐野厚生総合病院精神神経科 2自治医科大学精神医学教室

ページ範囲:P.606 - P.616

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はじめに

 前稿(本誌47巻5号)では統合失調症の発症率,症状をめぐる普遍性の問題について文化精神医学研究を展望し,検討を加えた。本稿で取り扱う統合失調症の転帰の問題については,IPSS81),DOSMD23)でも地域差があることが再現性を持って確認された。そのため,ここでは普遍性はあまり問題とはなっていない。むしろ転帰は,統合失調症にとって文化が持つ意味に直接アプローチするよい機会として注目を集めているところである。統合失調症が文化を含めた環境に埋め込まれていることを前稿で主張したが,転帰に関してはこの点がさらに主題的に取り扱われることになる。本稿では,統合失調症の経過,転帰に対して,文化が与える影響について検討してみたい。そして文化への着目が統合失調症の心理社会治療にとっていったいどのような意味があるのかを考えてみたい。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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