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研究と報告
学校へのアウトリーチ手法による思春期精神保健支援―「日本型ESMH」導入に向けての試み
著者: 菅原誠1 福田達矢1 坂井俊之1 熊谷直樹1 野津眞1 川関和俊1
所属機関: 1東京都立中部総合精神保健福祉センター
ページ範囲:P.637 - P.645
文献購入ページに移動主に小中学生の思春期精神保健上の問題事例に対して,学校からの要請に応じて精神科医を含む専門職チームが,主に学校内でアウトリーチ手法を用いて見立てや相談,助言を行う「初期介入支援」を20例に対して行った。この結果,精神科医療の必要性が判断され受診支援を行った事例が8例(40%),学校への助言により適応が改善した事例が6例(30%)あり,さらに不登校10事例のうち5例(50%)が再登校し,学校へのアウトリーチ手法による支援の有用性が示された。当支援と類似点の多い米国のESMHと対比して,日本へのESMH導入における課題を指摘し,当支援が日本の現状に合ったESMH導入モデルとなる可能性について考察した。
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