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文献詳細

雑誌文献

精神医学47巻6号

2005年06月発行

文献概要

研究と報告

精神科訪問看護の効果に関する実証的研究―精神科入院日数を指標とした分析

著者: 萱間真美1 松下太郎2 船越明子2 栃井亜希子1 沢田秋2 瀬戸屋希1 山口亜紀1 伊藤弘人3 宮本有紀1 福田敬4 佐藤美穂子5 仲野栄6 羽藤邦利7 大塚俊男8 佐竹良一9 天賀谷隆10

所属機関: 1聖路加看護大学 2東京大学大学院医学系研究科精神看護学分野 3国立精神・神経センター精神保健研究所 4東京大学大学院薬学系研究科医薬経済学講座 5(財)日本訪問看護振興財団 6(社)日本精神科看護技術協会 7代々木の森診療所 8東京武蔵野病院 9訪問看護ステーションビートウォール 10井之頭病院

ページ範囲:P.647 - P.653

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抄録

 精神科訪問看護が統合失調症患者の社会生活の継続に及ぼす効果の有無を,患者が訪問看護を受け始めた前後2年間における精神科病棟への総入院日数,1回入院あたりの入院日数の変化について検討した。13都道府県の21施設から訪問看護サービスの提供を受けた経験を有し,調査協力への同意が得られた138名の患者について,サービス提供施設の記録に基づくスタッフへの聞き取り調査を行い,基本属性,社会経済的状況,他の社会資源の利用状況,精神科病棟への入退院,受診状況,訪問看護の状況について調査した。その結果,総入院日数,1回入院あたりの入院日数の双方とも訪問ケア開始前後の比較において大幅に減少し,統計的にも有意差がみられた。この差は,訪問ケア開始時に対象者が入院しているか,通院中であるか,訪問ケア以外の社会資源を利用しているかにかかわらず同様であった。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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