文献詳細
短報
Fluvoxamineからparoxetineへのswitchingにより強迫症状が著しく軽快した統合失調症の1症例
著者: 谷川真道1
所属機関: 1新垣病院
ページ範囲:P.671 - P.674
文献概要
近年,強迫症状を合併した統合失調症の治療に関しては抗精神病薬と5-HT再取り込み阻害薬(serotonin reuptake inhibitors;SRI)が併用される傾向にある2,4,5)。今回筆者は,慢性の統合失調症に合併した強迫症状(洗浄強迫)に対し,risperidone(RIS)にSRIの1つであるfluvoxamine(FLV)からparoxetine(PRX)へのswitchingによる薬物併用療法を行ったところ,強迫症状の著しい改善がみられた症例を経験した。FLVからPRXのswitchingにより強迫症状が軽快した統合失調症の報告は本邦においては少ないため,ここに若干の考察を加え報告する。
なお,症例に関してはプライバシー保護のため主旨を損ねない範囲内で改変させていただいた。
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