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短報
低用量のselegiline(MAO-B阻害薬)が奏効した非定型うつ病の1例
著者: 北島明佳12 馬場元12 田村陽子12 鈴木利人12 新井平伊12
所属機関: 1順天堂大学医学部精神医学教室 2順天堂大学医学部附属順天堂越谷病院
ページ範囲:P.681 - P.684
文献購入ページに移動従来,三環系および四環系抗うつ薬による薬物療法や電気けいれん療法などがうつ病の主な治療法として用いられてきたが,近年SSRIやSNRIなどが普及し,うつ病の治療法の選択肢の幅も広がっている。しかし,それらによる治療でも十分な改善が認められないうつ病患者の一群も存在し,その中に非定型うつ病がある。本症の臨床的特徴は,気分反応性のある抑うつ気分や過眠,過食,疲労感,過敏な対人関係であり,三環系抗うつ薬に比べMAO(monoamine oxidase)阻害薬に良好な反応を示す2,7)といわれている。
今回筆者らは,過眠を伴う非定型うつ病と考えられる症例にMAO-B阻害薬であるselegilineが著効した1例を経験したので若干の考察を含めて報告する。
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