文献詳細
研究と報告
文献概要
抄録
解離性障害43例にみられた幻聴について報告した。幻聴は88%にみられ,その内容は命令,死の促し,中傷などが多かった。また聴覚過敏,呼名幻声,音楽幻聴,要素幻聴などの症状は初期統合失調症よりも高頻度にみられ,鑑別上重要であることを指摘した。また解離性幻聴の立ち現れを内部と外部の観点から検討し,解離性幻聴では統合失調症のような内部と外部の矛盾的二重構造はみられず,自然な区別が保たれているとした。さらに幻覚体験に対する判断についても言及し,表象と知覚の融合という構造について考察した。さらに自傷行為や自殺企図を呈する患者の多くにみられる死を促す幻聴についても考察を加えた。
解離性障害43例にみられた幻聴について報告した。幻聴は88%にみられ,その内容は命令,死の促し,中傷などが多かった。また聴覚過敏,呼名幻声,音楽幻聴,要素幻聴などの症状は初期統合失調症よりも高頻度にみられ,鑑別上重要であることを指摘した。また解離性幻聴の立ち現れを内部と外部の観点から検討し,解離性幻聴では統合失調症のような内部と外部の矛盾的二重構造はみられず,自然な区別が保たれているとした。さらに幻覚体験に対する判断についても言及し,表象と知覚の融合という構造について考察した。さらに自傷行為や自殺企図を呈する患者の多くにみられる死を促す幻聴についても考察を加えた。
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