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研究と報告
抑うつ症例における身体症状と出社困難の関係について
著者: 小野博行1
所属機関: 1東京芸術大学保健管理センター
ページ範囲:P.717 - P.723
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企業労働者がうつ病を発症した後,回復過程において,うつ病に特異的な諸症状はほとんど消失しているにもかかわらず,出社をめぐって頭痛・腹痛・めまいなど不特定な身体症状が出現し,出社困難を呈している症例は少なくない。その身体症状の特徴として,①日単位では,起床時や出社前から身体症状は出現するが職場に着くと時間経過とともに軽くなる,②週単位では,月曜など休日明けがもっともひどく,曜日を追うごとに軽くなる,などを挙げて,このような現象を,企業労働者のうつ病の回復過程において,その心身状態は職場という外的評価系と主体との機能連関が乖離して不安定な動揺状態にあり,統合的なホメオスタシスがもたらされないためであると考えた。
企業労働者がうつ病を発症した後,回復過程において,うつ病に特異的な諸症状はほとんど消失しているにもかかわらず,出社をめぐって頭痛・腹痛・めまいなど不特定な身体症状が出現し,出社困難を呈している症例は少なくない。その身体症状の特徴として,①日単位では,起床時や出社前から身体症状は出現するが職場に着くと時間経過とともに軽くなる,②週単位では,月曜など休日明けがもっともひどく,曜日を追うごとに軽くなる,などを挙げて,このような現象を,企業労働者のうつ病の回復過程において,その心身状態は職場という外的評価系と主体との機能連関が乖離して不安定な動揺状態にあり,統合的なホメオスタシスがもたらされないためであると考えた。
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