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研究と報告
過量服薬を行う女性自傷者の臨床的特徴―リスク予測に向けての自記式質問票による予備的調査
著者: 松本俊彦1 山口亜希子2 阿瀬川孝治3 越晴香3 持田恵美3 小西郁3 伊丹昭3 平安良雄4
所属機関: 1国立精神・神経センター精神保健研究所司法精神医学研究部 2関東学院大学カウンセリング・センター 3汐入メンタルクリニック 4横浜市立大学医学部精神医学教室
ページ範囲:P.735 - P.743
文献購入ページに移動女性自傷患者81例を対象として,自記式質問票による向精神薬の過量服薬に関する調査を行った。過量服薬経験の有無,および,過量服薬による医療機関での解毒治療経験の有無に関して比較を行い,さらに,有意差の得られた項目を独立変数に,過量服薬の経験および解毒治療の経験を従属変数として,ロジスティック回帰分析を行った。その結果,過量服薬経験では,Bulimia Investigatory Test of Edinburgh(BITE)の得点(p=0.006;オッズ比,1.10,[1.03~1.17]),解毒治療経験では,BITE得点25点以上(p=0.005;オッズ比,4.87,[1.60~14.86])が関係する要因として抽出された。自傷者における様々な程度の過量服薬には,BITE得点で示される過食傾向が密接に関係していることが示唆された。
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