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文献詳細

雑誌文献

精神医学47巻7号

2005年07月発行

短報

Olanzapineの付加療法が有効であった治療抵抗性うつ病の2例

著者: 都甲崇1 平安良雄1

所属機関: 1横浜市立大学医学部精神医学教室

ページ範囲:P.765 - P.768

文献概要

はじめに

 近年SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)やSNRI(セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬)の使用がわが国でも可能となり,うつ病の薬物治療の選択肢は大きく広がった。しかし,これらの薬剤を含めた抗うつ薬の十分な使用によっても,約30~50%の症例では十分な反応が得られないことが知られている3)。こうした治療抵抗性うつ病には,抗うつ薬の変更,炭酸リチウムや甲状腺ホルモン剤の追加,抗うつ薬の多剤併用,電気けいれん療法などが行われることが多いが3),近年,抗うつ薬の付加療法としてのolanzapineの有効性が明らかになり注目されている2,4)。今回筆者らは,抗うつ薬による治療と炭酸リチウムの付加療法に反応が得られなかった経過を有するうつ病に対してolanzapineを追加し,効果の得られた2症例を経験したので,若干の考察を加えて報告する。なお,いずれの症例に対しても,うつ病に対するolanzapineの効果は海外では報告されているものの,わが国では追試がなされていないことを説明し,同意を得た後に服薬を開始した。さらに今回の症例報告に関する同意を文書で得た。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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