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カタレプシーを伴った進行性核上麻痺の1症例
著者: 清水宗夫1 川上さやか2 稲田英利子3 田上和1 山口直明1 宮坂佳幸1 川口才市1 宮島裕明4
所属機関: 1川口会病院 2東京医科大学精神医学教室 3愛知医科大学精神医学教室 4浜松医科大学第一内科学教室
ページ範囲:P.773 - P.775
文献購入ページに移動初老期に発症する進行性核上麻痺progressive supranuclear palsy(PSP)はごくまれな疾患といわれていたが,近年精神科,神経内科,老年病科などから時々報告されるようになった。PSPと確定診断できる神経学的徴候が現れる前に,またはその時期とほぼ一致して種々様々な精神症状が出現することはよく知られている。その精神症状の中で亜昏迷状態を来したものも何例か報告されているが,カタレプシーを呈した症例は,筆者らの調査では,天野1)が報告した1例のみである。このたび入院当初の数日間カタレプシーが認められたPSPを経験したので報告する。
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