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研究と報告
常用量の向精神薬の投与により呼吸不全が生じた1例
著者: 甫母瑞枝1 岩田健1 渋谷泰寛2 杉原玄一1 佐々木健至1 阿部又一郎1 宇野皆理1 新谷昌宏1
所属機関: 1東京都立広尾病院神経科 2東京都立広尾病院呼吸器科
ページ範囲:P.973 - P.977
文献購入ページに移動合併症のない統合失調症の患者に慢性的な呼吸不全が生じ,オランザピンとエチゾラムの中止により呼吸不全が改善した1例を報告した。症例は58歳の女性。24歳より統合失調症を発症しハロペリドール,クロルプロマジン,エチゾラムの投与が続けられてきた。X-1年12月オランザピンの投与が開始され,X年8月に突然の呼吸困難が出現。肺梗塞が疑われたが精査で否定され,原因は不明であった。1か月後も呼吸不全が続き終夜ポリソムノグラフィーを施行したところ,閉塞型の睡眠時無呼吸の合併がわかった。オランザピンとエチゾラムを中止したところ睡眠時無呼吸,呼吸不全ともに改善した。半減期からオランザピンの関与が疑われた。
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