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短報
プロトンポンプ阻害剤により異常行動が出現した前頭側頭型痴呆の1例
著者: 澤井麻好1 斎藤浩1 米澤治文2 宮坂国光1 中村研3 古庄立弥1 三宅典恵1 高畑紳一1 大田垣洋子4
所属機関: 1広島県立広島病院精神神経科 2土谷総合病院精神科 3賀茂精神医療センター 4京橋心療クリニック
ページ範囲:P.1013 - P.1015
文献購入ページに移動プロトンポンプ阻害剤(proton pump inhibitor;PPI)は,現在使用し得る最も強力な胃酸分泌抑制薬であり,胃潰瘍,十二指腸潰瘍,逆流性食道炎などの患者に広く用いられている。一般に重篤な副作用の発現頻度はきわめて低く,ヒスタミンH2受容体拮抗薬と比べ精神症状の発現は少ないといわれている4)。今回我々は,前頭側頭型痴呆の患者にPPIであるlansoprazoleを投与したことにより易怒性,異常行動が出現した症例を経験したので報告する。
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