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文献詳細

雑誌文献

精神医学47巻9号

2005年09月発行

文献概要

資料

新潟県中越地震・東京都こころのケア医療救護チームの活動―震災被災地での初期精神保健活動の実際

著者: 菅原誠1 福田達矢1 坂井俊之1 熊谷直樹1 野津眞1 川関和俊1

所属機関: 1東京都立中部総合精神保健福祉センター

ページ範囲:P.1017 - P.1024

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はじめに

 2004年10月23日17時56分に新潟県川口町を震源とするM6.8震度7の地震が発生した。その後も長期にわたり震度5~6の強い余震が新潟県中越地方に頻発し,40名が死亡し,3,000名近くが負傷し,現在も多くの被災者が不自由な生活を余儀なくされている。我々は「東京都こころのケア医療救護チーム」として,新潟県からの要請を受けて第1次隊として10月28日より11月11日まで魚沼市旧堀之内町地域(11月1日に町村合併により魚沼市が成立。以下,堀之内町地域と記載)で災害時地域精神保健医療活動を行った。活動期間が約2週間と短期であり,対象地域も限られてはいるが,現在も行われている支援についてのあり方を考える機会となり,また,今後中長期的な支援に入る方々の参考になることを期待して,被災者の被災後間もないという心理状態を考慮して比較対照を用いた調査や検討などは行っていないが,速報として我々の活動を報告したいと考えた。また,1995年1月17日早朝に起こった阪神・淡路大震災が記憶に新しいところであり,その時の支援活動をもとに地震等大規模災害被災地でのメンタルヘルスケアのあり方について論じられてきた。今回の震災はその議論の成果が試される場と思える。阪神・淡路大震災での支援活動と比較し,若干の考察を行いたい。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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