文献詳細
研究と報告
大阪市における精神保健福祉法第34条に基づく移送の現状と問題点
著者: 谷宗英1 根来千穂1 高橋育美1 熊谷由喜子1 森脇登志夫1 岡部信子1 竹内伸江1 古塚大介1
所属機関: 1大阪市こころの健康センター
ページ範囲:P.7 - P.14
文献概要
2000年度~2004年度の5年間に大阪市で精神保健福祉法第34条に基づく移送制度を利用して入院治療への導入を行った全29症例の実態を調査した。その結果,長年の未治療状態の中,精神症状がありながらもキーパーソンなどの支援である程度の日常生活を続けてきたが,身体疾患の合併,家族状況の変化,家族や近隣とのトラブルなどが発端となり,事例化した中で,医療への導入に際して家族などの協力を十分に得ることが難しく,本制度を利用せざるを得ないケースが目立った。また,緊急避難的入院に対応する移送体制の構築,さらに本制度をより効果的に活用するための退院後の往診や訪問看護などの地域精神医療との連携が必要であると考えられた。
参考文献
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