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文献詳細

雑誌文献

精神医学48巻1号

2006年01月発行

研究と報告

大阪市における精神保健福祉法第34条に基づく移送の現状と問題点

著者: 谷宗英1 根来千穂1 高橋育美1 熊谷由喜子1 森脇登志夫1 岡部信子1 竹内伸江1 古塚大介1

所属機関: 1大阪市こころの健康センター

ページ範囲:P.7 - P.14

文献概要

抄録
 2000年度~2004年度の5年間に大阪市で精神保健福祉法第34条に基づく移送制度を利用して入院治療への導入を行った全29症例の実態を調査した。その結果,長年の未治療状態の中,精神症状がありながらもキーパーソンなどの支援である程度の日常生活を続けてきたが,身体疾患の合併,家族状況の変化,家族や近隣とのトラブルなどが発端となり,事例化した中で,医療への導入に際して家族などの協力を十分に得ることが難しく,本制度を利用せざるを得ないケースが目立った。また,緊急避難的入院に対応する移送体制の構築,さらに本制度をより効果的に活用するための退院後の往診や訪問看護などの地域精神医療との連携が必要であると考えられた。

参考文献

1) 伊藤秀幸:移送の問題をどう解決するか.地域精神保健福祉情報Review 13:32-35,2004
2) 澤温:移送制度の現状と問題点.日精協誌 19:47-52,2000
3) 澤温:精神科病院における救急医療のあり方.臨精医 29:1575-1583,2000
4) 澤温:地域精神医療と精神科病院─地域に開かれた精神科病院.Schizophrenia Front 5:87-93,2004
5) 高岡道雄:地域における危機介入─法34条移送制度の実態と課題.精神医学 46:579-584,2004
6) 全国保健所長会精神保健福祉研究班:精神保健福祉法第34条に基づく移送にかかるマニュアル.高岡道雄(兵庫県加古川保健所) 編,pp3-18,2004

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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