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文献詳細

雑誌文献

精神医学48巻1号

2006年01月発行

短報

Perospironeにより広義の知覚変容発作が生じた統合失調症の1例

著者: 明石俊雄1

所属機関: 1松南病院精神科

ページ範囲:P.65 - P.67

文献概要

 現在,非定型抗精神病薬は統合失調症の各種治療ガイドラインの一次選択薬である。錐体外路系の副作用が出にくい6~8)一方,高血糖などの副作用が警告されている。

 今回,perospirone8)を使用中,広義の知覚変容発作2~4, 9~11)を経験した。この発作は定型抗精神病薬の副作用とみられているが,最近,olanzapineやrisperidoneの報告2,3)も散見される。Perospironeの報告は見当たらないので,若干の考察を加え報告する。

参考文献

1) 秋山一文:新しい抗精神病薬(クエチアピン,オランザピン,ペロスピロン)の薬理特性.精神医学 44:238-243,2002
2) 原田貴史,友竹正人,大森哲郎:Olanzapineにより知覚変容発作を来した統合失調症の1症例.精神医学 45:65-68,2003
3) 狭間玄以,植田俊幸,川原隆造:RisperidoneおよびOlanzapineにより知覚変容発作を生じた統合失調症の1例.精神医学 45:551-553,2003
4) 井田能成:抗精神病薬使用中にみられる知覚変容発作.臨精薬理 2:827-832,1999
5) 岩本泰行,山脇成人:向精神薬による悪性症候群とセロトニン症候群:鑑別診断と治療の要点.臨精医 32:521-528,2003
6) 上島国利,岩波明,松丸憲太郎,他:SDA系抗精神病薬.臨精薬理 2:343-352,1999
7) 久住一郎:非定型抗精神病薬をどのように使い分けるか? 臨精薬理 7:1232-1239,2004
8) 村崎光邦:Perospironeの基礎と臨床.臨精薬理 4:849-868,2001
9) 渡辺憲:抗精神病薬使用中にみられる発作性の知覚変容を中心とする症候群.精神科治療学 6:135-148,1991
10) 山口直彦:分裂病者の訴える知覚変容を主とする“発作”症状について.精神科治療学 1:117-125,1986
11) 山口直彦,岩井圭司:抗精神病薬使用中にみられる発作性の知覚変容を中心とする症状群─臨床精神病理学的側面から.精神科治療学 6:129-134,1991

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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