精神医学48巻1号

2006年01月発行

短報

うつ状態と繰り返す意識消失発作を呈した視床下部性下垂体前葉機能低下症の1症例

著者： 末永貴美¹ 長田昌士¹ 森岡壯充²

所属機関： ¹広島市立安佐市民病院神経科精神科 ²森岡神経内科

ページ範囲：P.69 - P.72

はじめに
　内分泌疾患は，精神症状を呈しやすい疾患の一つといわれているが，精神症状のみが前景に出て，内分泌学的診断が困難な場合もあるとされる。今回，我々は，食欲不振，無気力を主訴に受診し，うつ状態とともに繰り返す意識消失発作を伴う視床下部性下垂体機能低下症の1症例を経験したので報告する。

参考文献

1) Bleuler M：Psychiatry and endocrinology. History of their relationship in the last 30 years(German). Acta Psychiatr Scand 41：411-418, 1965

2) 堀内亮郎，一条智康，山岡昌之，他：仮面うつ病を疑われ診断に困難であった下垂体前葉機能低下症の1例．心身医療 7：65-69，1995

3) 井村裕夫：下垂体機能低下症．領域別症候群シリーズNo.1 内分泌症候群(上巻)．上銘外喜夫 編．別冊 日本臨牀．日本臨牀社，pp62-67，1993

4) 井上桂，野村純一：内分泌精神症候群．Clin Neurosci 8：492-494, 1990

5) 前田潔：下垂体機能障害の精神症状．医学と薬学 12：377-380，1984

6) 三木伸泰，小野昌美，出村博：下垂体前葉機能低下症．医学と薬学 25：1489-1495，1991

7) 大西利夫：下垂体前葉機能低下症．medicina 25：1884-1887, 1984