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レム睡眠行動障害の1例
著者: 松本好剛1 名越泰秀2 福居顯二3
所属機関: 1松本クリニック 2京都第一赤十字病院精神科 3京都府立医科大学精神医学教室
ページ範囲:P.97 - P.98
文献購入ページに移動レム睡眠行動障害(以下RBD)は,臨床的には一見寝ているように見えるが,大声を上げる,隣で寝ている配偶者に殴りかかろうとする,蹴り上げる,起き上がって歩き回り,本人やそのそばにいた人が怪我を負うといった異常行動を呈する睡眠障害である。異常行動は見ていた夢の内容と関係があり,夢と同じ行動をしているといわれる。RBDは1986年にSchenckらによって初めて疾患概念として提唱され3),1990年に睡眠障害国際分類に正式に睡眠時随伴症の1つとして分類された。疾患概念として歴史的に浅く,臨床医のなかでもあまり認識されていないと思われる。今回,受診前日に異常行動を呈し家族に勧められ翌日受診し,その外傷のすさまじさから本障害と診断し得た1例を経験したので若干の考察を加えて報告する。
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