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“心因性健忘”を疑われ救急外来より紹介された一過性全健忘の1例
著者: 松永みな子1 村岡稔史1 上川英樹1 山田茂人1
所属機関: 1佐賀大学医学部精神医学講座
ページ範囲:P.1137 - P.1139
文献購入ページに移動一過性全健忘(Transient Global Amnesia;TGA)は外傷や脳血管障害など明らかな原因がなく,突然に著しい記銘力障害(前向性健忘)と過去の記憶障害(逆向性健忘)を呈し,意識障害や他の神経症状を伴わない短時間の健忘症候である。エピソードの最中は重篤な健忘症状を呈し,数分前に起こったことも忘れてしまい,何度も同じ質問を繰り返すなど特徴的な症状のため家族・本人を不安にすることが多いが,24時間以内には自然と消失するとされている。
今回,我々は“心因性健忘”を疑われ救急外来より紹介された一過性全健忘の1例を経験したので報告する。
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