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巻頭言
睡眠と私
著者: 内山真1
所属機関: 1日本大学医学部精神医学講座
ページ範囲:P.1160 - P.1161
文献購入ページに移動 私が初期研修を終えようとしていた頃,指導を受けていた先生に,終夜睡眠脳波の手伝いをしながら,睡眠の研究をするように言われた。当時,私はドイツ語を勉強して内因性精神疾患の研究に取り組みたいと密かに思っており,正直なところ,睡眠の研究は大変だとも感じたが,言い出すことができず,先生の助言に従うことにした。こうして,私は終夜睡眠脳波の手伝いを始めるようになった。このような経緯から始めた睡眠の勉強も,20年を超えた。この折に,睡眠について感じていることを少し書きたいと思う。
一般の新聞や雑誌などで,現代社会に特有のストレスが不眠に悩む人々を増加させている,という記載が時々みられる。しかし,この言葉に確たる証拠はない。ストレスによる不眠症が急増している原因が現代社会にあるのならば,昔は不眠が少なかったと言えるのだろうか。この疑問に対して,3~4年前に米国の歴史学者Ekirchの書いた総説を読んだことから,必ずしも事態が単純ではないことを知った。
一般の新聞や雑誌などで,現代社会に特有のストレスが不眠に悩む人々を増加させている,という記載が時々みられる。しかし,この言葉に確たる証拠はない。ストレスによる不眠症が急増している原因が現代社会にあるのならば,昔は不眠が少なかったと言えるのだろうか。この疑問に対して,3~4年前に米国の歴史学者Ekirchの書いた総説を読んだことから,必ずしも事態が単純ではないことを知った。
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