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文献詳細

雑誌文献

精神医学48巻11号

2006年11月発行

文献概要

オピニオン 認知症のBPSDに非定型抗精神病薬を使用すべきか否か

適切な判断と十分なICのもと非定型抗精神病薬を用いる

著者: 新井平伊1

所属機関: 1順天堂大学医学部精神医学教室

ページ範囲:P.1162 - P.1164

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はじめに

 米国FDAが認知症における非定型抗精神病薬投与に関して警告3)して以来,臨床では大きな困惑と混乱が生じているといえる。そこで,改めてBehavioral and Psychological Symptoms of Dementia(BPSD)の治療に非定型抗精神病薬を使用せざるを得ない状況について考察してみるが,ここでは中でも焦燥,興奮,不穏,幻覚,妄想といった症状に対する薬物療法について論じることを理解されたい。また,あらかじめ確認しておく必要があるのは,わが国では認知症における非定型抗精神病薬投与は今のところ保険適用外使用に当たることである。この点は,直面する問題に速やかに対応せざるを得ない臨床とは異なる観点ではあるが,後述するように医療の実践において大きな問題となるのも事実である。

参考文献

1) American Geriatrics Society and American Association for Geriatric Psychiatry:Consensus statement on improving the quality of mental health care in US nursing homes:Management of depression and behavioral symptoms associated with dementia. J Am Geriatr Soc 51:1287-1298, 2003
2) 新井平伊:抗精神病薬の保険適応疾患を考える.精神医学 44:366-367,2002
3) FDA Talk Paper(http://www.fda.gov/bbs/topics/ANSWERS/2005/ANS01350.html)
4) 犬塚伸,天野直二:精神症状・行動障害治療ガイドライン.老年精医誌 16:75-91,2005
5) Sultzer DL, Gray KF, Gunay I, et al:Does behavioral improvement with haloperidol or trazodone treatment depend on psychosis or mood symptoms in patients with dementia? J Am Geriatr Soc 49:1294-1300, 2001
6) Wang PS, Schneeweiss S, Avorn J, et al:Risk of death in elderly users of conventional vs. atypical antipsychotic medications. N Engl J Med 353:2335-2341, 2005

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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