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オピニオン 認知症のBPSDに非定型抗精神病薬を使用すべきか否か
認知症のBPSDに対する非定型抗精神病薬の使用について
著者: 工藤喬1 武田雅俊1
所属機関: 1大阪大学大学院医学系研究科精神医学教室
ページ範囲:P.1171 - P.1175
文献購入ページに移動リスペリドン,オランザピン,クエチアピンなどの非定型抗精神病薬は,定型抗精神病薬に比べ錐体外路症状などの副作用発現が少なく,高齢者にも使用しやすい。したがって,認知症のBPSDに対して非定型抗精神病薬の臨床治験がいくつかなされてきた(表)。これらの成績より,各薬剤の使用量は常用量の1/2以下あるいは1/3以下に抑えられているが,おおむね各薬剤はBPSDに有意な効果があり,かつ認知症の中核症状を悪化させることはないことが示されている。ただ,残念なことは,これらの研究では定型抗精神病薬との効果あるいは副作用の比較がほとんどなされていないことである。また,非定型薬間での比較検討のデータも少ない。
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