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短報
LithiumとCyclosporinの併用療法中に,lithium投与中止を余儀なくされた,強皮症を伴った双極性障害の1例
著者: 淵上学1 岡本泰昌1 篠原清美1 高見浩1 山下英尚1 山脇成人1 熊谷和彦2
所属機関: 1広島大学大学院医歯薬学総合研究科精神神経医科学 2広島大学大学院医歯薬学総合研究科分子内科学
ページ範囲:P.1233 - P.1236
文献購入ページに移動双極性障害患者の気分安定化や病相予防におけるlithiumの有用性は広く知られている。しかし,至適血中濃度の幅は狭く,血中濃度上昇にて消化器症状や中枢神経症状,運動機能症状といった重篤な中毒症状を起こすため,排泄を阻害する一部の利尿剤やnonsteroidal anti-inflammatory drugs(NSAIDs)との併用に注意が必要である5)。
今回,免疫抑制剤であるcyclosporin投与によると考えられる血中濃度上昇を認め,lithium投与中止に至った双極性障害の1例を経験したため,文献的考察をふまえて報告する。
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