文献詳細
シンポジウム 気分障害治療の新たな展開
文献概要
わが国の自殺者数が年間3万人を超え続け,うつ病の治療に対する関心が高まっている。実際,うつ病の生涯有病率は10%以上に達することが示されており,うつ病になると自殺以外にも就業不能となることが少なくなく,また,心疾患などの合併症を患うことも多い。このため,ハーバード大学,WHOと世界銀行の共同研究によると,うつ病は1990年の時点で死亡や障害のために喪失する年数が4番目に多く,2020年には虚血性心疾患に次ぐ第2位になることが予想されている。そこで,厚生労働省精神・神経疾患研究委託費 精神疾患関連研究班第13回合同シンポジウムは「気分障害治療の新たな展開」をテーマとして,2003年12月16日アルカディア市ヶ谷で開催された。
まずは,気分障害治療の標準化を図るためのガイドラインについて発表された。大うつ病の薬物療法については山梨大学の塩江邦彦先生が,自らが作成の中心となった具体的で使いやすいアルゴリズムについて解説した。次に,双極性障害の薬物治療について,広島大学の岡本泰昌先生が,米国のエキスパートコンセンサスガイドラインを中心に説明した。
まずは,気分障害治療の標準化を図るためのガイドラインについて発表された。大うつ病の薬物療法については山梨大学の塩江邦彦先生が,自らが作成の中心となった具体的で使いやすいアルゴリズムについて解説した。次に,双極性障害の薬物治療について,広島大学の岡本泰昌先生が,米国のエキスパートコンセンサスガイドラインを中心に説明した。
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