icon fsr

文献詳細

雑誌文献

精神医学48巻3号

2006年03月発行

書評

うつ病論の現在―精緻な臨床をめざして フリーアクセス

著者: 大森健一1

所属機関: 1滝澤病院

ページ範囲:P.344 - P.344

文献概要

 私が精神科医になった1960年代は躁うつ病に対する臨床精神医学的,精神病理学的研究も,テレンバッハのメランコリー親和型に触発された病前性格論,あるいは発病状況論や疾病構造論などで結構盛んであった。森山公夫先生,笠原嘉先生,木村敏先生などの論文に大いに刺激を受けたものである。

 その後躁うつ病に対する神経伝達をめぐる研究が盛んになった。ある先輩に「精神病理をやっている君には悪いけど,うつ病はわかっちゃったよ」とからかわれたのを記憶している。その後1970年代の後半から,当時の華やかな精神分裂病論を意識する一方で,このような生物学的精神医学界の動向を背景に「躁うつ病の精神病理」シリーズが計5巻,1987年まで刊行されたが,その後は途絶えてしまった。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら