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研究と報告
Discharge Readiness Inventory(DRI)日本語版の作成における信頼性および妥当性の検討
著者: 井上顕1 西田淳志1 西村幸香1 梶木直美1 岡崎祐士1
所属機関: 1三重大学大学院医学系研究科神経感覚医学講座精神病態学分野
ページ範囲:P.399 - P.404
文献購入ページに移動我々は退院準備度の評価尺度であるDischarge Readiness Inventory(DRI)の日本語版を作成し,入院中の統合失調症患者31名を対象として,信頼性および妥当性,転帰,カットオフポイントを検討した。その結果,級内相関係数(ANOVA-ICC),Cronbachのα係数は共に高値を示し,高い信頼性が認められた。また,退院準備度を最も的確かつ端的に表す指標とされているCommunity adjustment potential(CAP)得点については,Global Assessment of Functioning(GAF)と高い相関を示し,妥当性が認められた。転帰は,DRI初回面接時の各因子合計得点と6か月後のGAF得点との関係を重回帰分析にて検討したところ,各因子の高い寄与率を認め,DRIが退院後の転帰予測尺度としても使用可能であることが示された。これらの結果より,DRI日本語版は,退院可能性を検討するための退院準備度評価尺度として使用可能であると考えられた。
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