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巻頭言
20年後を考える
著者: 中村祐1
所属機関: 1香川大学医学部精神神経医学講座
ページ範囲:P.466 - P.467
文献購入ページに移動現在,わが国の財政状況はきわめて悪く,数字的なものでは第二次世界大戦当時と変わらないという。そのため,急速に種々の改革という名の変革が進行しつつある。まず,平成の大合併と呼ばれる多くの市町村の合併が行われた。地方自治体の効率的な運営がその主たる目的であるが,そのため役所機能が集約化され,地域によっては公的なサービスが受けづらいことが発生しつつある。次に,三位一体改革という財源の地方移譲が進みつつある。これにより地方財政が圧迫され,公共事業の削減が進み,地域の経済を圧迫している。また,地方自治体で介護保険運営されることから,介護保険サービスの受給者が多い地方では介護保険費が上昇している。加えて,生活保護費の地方移譲や平成20年といわれる医療保険の地域移譲などが予定されている。このような変革により,地方は急速に住みにくくなっている。このままで変革が進めば,地方においては税収の不足と資産価値の下落が生じ,一方では社会保障費の居住者負担が増大することになる。その反面,都市部には社会資源の集中による利便性の向上,それに伴う産業の集中が進む。
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