文献詳細
短報
重複記憶錯誤を呈したアルツハイマー型痴呆の女性例
著者: 丸井和美12 井関栄三1 村山憲男1 木村通宏1 江渡江1 柴田浩生3 新井平伊4
所属機関: 1順天堂大学医学部附属順天堂東京江東高齢者医療センターメンタルクリニック 2東京慈恵会医科大学医学部看護学科 3柴田メンタルクリニック 4順天堂大学医学部精神医学教室
ページ範囲:P.507 - P.509
文献概要
重複記憶錯誤(reduplicative paramnesia)は,Capgras症状(Capgras syndrome),フレゴリ錯覚(Fréoli syndrome),相互変身錯覚(syndrome of intermetamorphosis)などとともに同定錯誤症候群ないし誤認症候群(misidentification syndromes)3)に含められており,実際にはただ1つしかないはずの場所や人物が複数存在すると確信する現象をいう。現在,Capgras症状との混同など重複記憶錯誤の概念には混乱がみられる。今回,アルツハイマー型痴呆(Alzheimer-type dementia)の女性例において,重複記憶錯誤と考えられる特徴的な症状がみられたので提示し,その発現機序に関して考察する。
参考文献
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