文献詳細
書評
文献概要
「少年による凶悪事件の続発等を受けて少年法が広く社会の注目を集めているが,その改正問題をみても,マスコミを含め,一般にどれだけ正確な理解がなされているか心許ない」「残念ながら,私が少年問題に関わる教育関係者や臨床実務家と接する際にも同様の不安を覚えたことが希ではない」──本書を出版する目的は,ここにあるらしい。そうだとすれば,著者は十二分にその目的を果たしていることになる。
たとえば,「少年に対する刑事処分・刑事手続き」と題された章を読んでみる。すると,少年の刑事裁判は数が少なく,著者でさえたった数件しか担当していないという事実から始まり,刑事手続き・捜査手続き・刑事処分選択などが順序よく,過不足なしに記載されていることがわかる。臨床実務家は,短時間で少年の刑事処分について整理し,理解することができるのである(ただし,同じく少数ながら,精神科医が関与を要請されることのある精神鑑定については,触れられていない)。
たとえば,「少年に対する刑事処分・刑事手続き」と題された章を読んでみる。すると,少年の刑事裁判は数が少なく,著者でさえたった数件しか担当していないという事実から始まり,刑事手続き・捜査手続き・刑事処分選択などが順序よく,過不足なしに記載されていることがわかる。臨床実務家は,短時間で少年の刑事処分について整理し,理解することができるのである(ただし,同じく少数ながら,精神科医が関与を要請されることのある精神鑑定については,触れられていない)。
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