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文献詳細

雑誌文献

精神医学48巻6号

2006年06月発行

文献概要

私のカルテから

短パルス波刺激装置による遷延性けいれん

著者: 長嶺敬彦1

所属機関: 1清和会吉南病院

ページ範囲:P.685 - P.687

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はじめに

 電気けいれん療法(electroconvulsive therapy;ECT)は,精神科治療で重要な治療手技である。2002年にわが国でも短パルス波刺激装置が使用できるようになり,その有用性はますます高まった。短パルス波刺激装置は少ない電気量でけいれんを誘発でき,従来のサイン波刺激装置に比べ認知面の副作用が少ない1)。しかし最大出力が504mCと安全に配慮してあるため,ときに最高出力でも有効なけいれんを誘発できないことがある。したがって短パルス波刺激装置で,遷延性けいれんを認めることは少ない。

 今回,ECT3回目に脳波上10分間以上けいれん波がみられた遷延性けいれんの症例を経験した。短パルス波刺激装置でも遷延性けいれんに注意が必要であり,常にそれに対処できる準備を行い,ECTを施行すべきである。

参考文献

1) 本橋伸高 監訳:ECT実践ガイド(米国精神医学タスクフォースレポート).医学書院,2002

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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