icon fsr

文献詳細

雑誌文献

精神医学48巻7号

2006年07月発行

オピニオン 操作的診断基準の有用性と限界をめぐる今日的問題

操作的診断体系の今日的問題―精神病理学の見地から

著者: 加藤敏1

所属機関: 1自治医科大学精神医学教室

ページ範囲:P.709 - P.713

文献概要

 1875年パリでのメートル法の制定を皮切りに,全世界に波及する規格化の作業がさまざまな領域で順次進行していった。それは自己拡大していく人間相互の交流の必要性にこたえるうえでもごく自然な動きで,産業社会と科学的研究,医療の発展にとり欠かせない基本原理といえる。DSM,ICDによる精神障害の分類体系は,精神医学領域におけるこの文字通りグローバルな規格化の初めての実現形態といえる。こうして精神医学が共通語,あるいは標準語を手にした意義は大きい。しかしながら,計量化と視覚化がなかなか一筋縄では行かない領域だけに,この試みが大きな困難を伴うことは最初から予想されるところであった。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら