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文献詳細

雑誌文献

精神医学48巻7号

2006年07月発行

文献概要

短報

てんかんについての教育が効果的であったパニック障害の1例―夫のてんかん発作を契機に発症した女性の治療経過

著者: 宮﨑哲治1 松下兼宗1 村上伸治1 澤原光彦1 中川彰子1 青木省三1

所属機関: 1川崎医科大学精神科学教室

ページ範囲:P.769 - P.772

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はじめに

 てんかんに対する誤解・偏見は現在でも思いの外深刻である。患者本人だけでなく,患者の家族も誤解・偏見のため不利益を被ることがあり,人知れず悩んでいることがある。今回我々は,実父にてんかんの既往歴があり,その事実を誰にも言えずまた子どもにてんかんが遺伝する不安を抱えながら生活していたところ,夫に強直間代発作が起こったためパニック障害を発症した女性の治療経過において,てんかんについての教育が効果的であった症例を経験したので,若干の考察を加え報告する。

参考文献

1) American Psychiatric Association:Practice Guideline for the Treatment of Patients with Panic Disorder. American Psychiatric Association, Washington DC, 1998
2) Faravelli C, Pallanti S:Recent life events and panic disorder. Am J Psychiatry 146:622-626, 1989
3) 古田真理子,工藤喜代美,山田久美子,他:パニック障害における治療抵抗性の予測因子について.精神医学 41:79-83,1999
4) 兼子直:てんかんとは.てんかん教室.新興医学出版,pp1-20,2000
5) 加藤薗子,西尾明,田所靖男:てんかんの社会精神医学的研究(第2報)-社会の態度.精神医学 10:457-463,1968
6) Manfro GG, Otto MW, McArdle ET, et al:Relationship of antecedent stressful life events to childhood and family history of anxiety and the course of panic disorder. J Affect Disord 41:135-139, 1996
7) Roy-Byrne PP, Geraci M, Uhde TW:Life events and onset of panic disorder. Am J Psychiatry 143:1424-1427, 1986
8) 山田哲也:一般社会における「てんかん」に対する知識,態度,および考え方-小児を持つ親への調査研究.てんかん治療研究振興財団研究年報 6:204-212,1994

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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