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多種精神疾患併存の人格障害患者の治療
著者: 田代信維1 帆秋孝幸1
所属機関: 1帆秋病院
ページ範囲:P.781 - P.782
文献購入ページに移動はじめに
神経症圏内の疾患にあって種々の症状を訴えて来院する患者を散見する。中でも人格障害が基盤にあると,患者の問題行動でさらに症状が複雑化し,その診断と治療に戸惑うことも多い。本症例は,5種以上の疾患を抱えて来院したが,その治療経過で人格障害が明らかとなり,薬物療法に加え,人格障害の改善を期待して母子関係再教育4)を試みた。
神経症圏内の疾患にあって種々の症状を訴えて来院する患者を散見する。中でも人格障害が基盤にあると,患者の問題行動でさらに症状が複雑化し,その診断と治療に戸惑うことも多い。本症例は,5種以上の疾患を抱えて来院したが,その治療経過で人格障害が明らかとなり,薬物療法に加え,人格障害の改善を期待して母子関係再教育4)を試みた。
参考文献
1) Beck AT, Freeman A:Cognitive Therapy of Personality Disorders. Guilford Press, New York, 1990(井上和臣 監訳,岩重達也,南川節子,河瀬雅紀 共訳:人格障害の認知療法.岩崎学術出版,1997)
2) 成田善弘:青年期境界例(改定増補).金剛出版,2004
3) 田代信維:新版 森田療法入門「生きる」ということ.創元社,2005
4) 田代信維,帆秋孝幸:注視強迫で5年間悩んでいた若者への母子関係再教育併用の外来森田療法.精神医学 47:1063-1068,2005
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