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文献詳細

雑誌文献

精神医学48巻8号

2006年08月発行

文献概要

短報

精神疾患として治療されていた前頭側頭型痴呆の2症例

著者: 波平智雄12 城間清剛3

所属機関: 1前・宮里病院 2現・平安病院 3城間クリニック

ページ範囲:P.901 - P.904

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はじめに

 変性型痴呆のうち,前頭側頭型痴呆(以下,FTD)はアルツハイマー型痴呆に次いで多いと言われている1)。初期は認知障害が前景に出ないために痴呆とされず,精神疾患と診断されることがある2,3)。したがってFTDの初期症状を理解し鑑別診断として念頭に置くことは重要と考えられる。今回筆者は,身体症状への固執をもとに医療施設受診を繰り返した2症例を経験した。2症例はそれぞれ神経症,うつ病とされていたが,頭部MRIや認知機能検査などからFTDと診断した。事例の経過を述べ考察を交え報告したい。

参考文献

1) Ikeda M, Ishikawa T, Tanabe H:Epidemiology of frontotemporal lobar degeneration. Dement Geriatr Cogn Disord 17:265-268, 2004
2) 菊池貞雄,振津知哲,鈴木隆晴:多彩な精神症状を呈した前頭側頭型痴呆の1症例.東京精神医学会誌 22:26-30,2004
3) 水井康太,植木昭紀,眞城拓志,他:抑うつが10年以上遷延した前頭側頭型痴呆と考えられる3症例.臨精医 34:107-112,2005
4) Neary D, Snowden JS, Gustafson L, et al:Frontotemporal lobar degeneration:A consensus on clinical diagnostic criteria. Neurology 51:1546-1554,1998
5) 太田聡,山城一雄,安野みどり,他:前頭側頭型痴呆で発症したSCA17の1例.神経内科 60:557-559,2004
6) 品川俊一郎,池田学:前頭側頭型痴呆の前駆状態と初発症状.老年精医誌 16:329-335,2005
7) 繁信和恵,小森憲治郎,西川志保,他:前頭側頭型変性症に対するリハビリテーションと薬物療法.老年精医誌 13:1036-1041,2002

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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