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文献詳細

雑誌文献

精神医学48巻9号

2006年09月発行

書評

抗精神病薬の「身体副作用」がわかる―The Third Disease フリーアクセス

著者: 中村純1

所属機関: 1産業医科大学精神医学教室

ページ範囲:P.1040 - P.1040

文献概要

精神科は「身体」に着目する時代に-内科医からのメッセージ

第2世代抗精神病薬のインパクト

 統合失調症に対する薬物療法が始まって50年余り経ったが,その発展は副作用克服の戦いの歴史ともいえる。

 1996年にわが国にも第2世代抗精神病薬(非定型抗精神病薬)の導入がなされて,現在までに5剤(リスペリドン,オランザピン,クエチアピン,ペロスピロン,アリピプラゾール)の新しい抗精神病薬の使用が可能となった。

 これらは錐体外路症状の出現が比較的少なく,陽性症状のみならず陰性症状にも効果を示す薬剤として注目を浴びている。しかも統合失調症の治療戦略として,治療初期からリハビリテーション期を見据えた生活指導と薬物療法の併用によって良好な予後を期待できるようになった。これらの新しい抗精神病薬は「患者中心の精神医療」へと医師や家族の意識を向けたのである。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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