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文献詳細

雑誌文献

精神医学49巻1号

2007年01月発行

文献概要

シンポジウム 児童思春期の攻撃性・衝動性の理解と援助-ライフサイクルの視点から考える

思春期における攻撃性の光と陰

著者: 青木省三1

所属機関: 1川崎医科大学精神科学教室

ページ範囲:P.99 - P.105

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 思春期においては,さまざまな「病態」の子どもから「健康」な子どもまで,さらに言えば思春期のみでなくすべての人々に,大なり小なり「攻撃性」といえる心性を認めることに異論はないであろう。

 本稿では,「攻撃性(aggressiveness)」ということで論を進めるが,そもそも“aggressive”という言葉は,攻撃的,侵略的という意味の他に,「積極的,意欲的,活動的」という肯定的なイメージもある。わが国では,「攻撃的」という否定的なイメージでとらえられやすいが,これも最近では変化しており,経済の分野やアメリカ英語,若い人などでは,良い意味やほめ言葉としてとらえるという人が出てきている。しかし,こちらの意味でも否定的なイメージはあり,「押しの強い」となると肯定的ではないニュアンスを含む。言葉やものの性質の見方は,少しずつ位置がずれるように変化する。

参考文献

1) 青木省三:思春期の心の臨床-面接の基本とすすめ方.金剛出版,2001
2) 青木省三:僕のこころを病名で呼ばないで-思春期外来から見えるもの.岩波書店,2005
3) 村瀬嘉代子,青木省三 編:すべてをこころの糧に-心理援助者のあり方とクライアントの現実生活.金剛出版,2004
4) 村瀬嘉代子,青木省三:心理療法とは何か-生きられた時間を求めて.金剛出版,2004
5) 滝川一廣:新しい思春期像と精神療法.金剛出版,2004

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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