文献詳細
短報
広汎性発達障害の行動・情緒的特徴の性差―Child Behavior Checklist/4-18による検討
著者: 神谷美里1 吉橋由香1 宮地泰士1 辻井正次12
所属機関: 1子どものこころの発達研究センター 2中京大学現代社会学部
ページ範囲:P.1021 - P.1024
文献概要
広汎性発達障害(以下,PDD)の発生率について,男性に比して女性が少ないことは古くから指摘されている。こうした女子例の少なさもあってか,特性の性差を検討した報告は数が少ない。しかし,臨床像に性差があることはすでに指摘されており4),より詳細な検討が望まれる。
そこで本研究では,行動・情緒的な特徴にどのような性差があるのか,Child Behavior Checklist/4-18(以下,CBCL)を用いて検討する。CBCLは子どもの行動や情緒の問題を包括的に評価する質問紙であり,諸国で広く使われているものである。これまで,CBCLから明らかにされてきたPDDの特徴として,「社会性の問題」や「思考の問題」が顕著であることが指摘されている1,2)。しかし,性差による特徴の違いについての検討は十分されていないため,本研究ではこれについて検討することとする。
参考文献
掲載誌情報