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文献詳細

雑誌文献

精神医学49巻10号

2007年10月発行

短報

広汎性発達障害の行動・情緒的特徴の性差―Child Behavior Checklist/4-18による検討

著者: 神谷美里1 吉橋由香1 宮地泰士1 辻井正次12

所属機関: 1子どものこころの発達研究センター 2中京大学現代社会学部

ページ範囲:P.1021 - P.1024

文献概要

目的

 広汎性発達障害(以下,PDD)の発生率について,男性に比して女性が少ないことは古くから指摘されている。こうした女子例の少なさもあってか,特性の性差を検討した報告は数が少ない。しかし,臨床像に性差があることはすでに指摘されており4),より詳細な検討が望まれる。

 そこで本研究では,行動・情緒的な特徴にどのような性差があるのか,Child Behavior Checklist/4-18(以下,CBCL)を用いて検討する。CBCLは子どもの行動や情緒の問題を包括的に評価する質問紙であり,諸国で広く使われているものである。これまで,CBCLから明らかにされてきたPDDの特徴として,「社会性の問題」や「思考の問題」が顕著であることが指摘されている1,2)。しかし,性差による特徴の違いについての検討は十分されていないため,本研究ではこれについて検討することとする。

参考文献

1) Bolte S, Dickhut H, Poustka F:Patterns of parent-Reported problems indicative in autism. Psychopathology 32:93-97, 1999
2) Duarte CS, Bordin IA, de Oliveira A, et al:The CBCL and the identification of children with autism and related conditions in Brazil:Pilot findings. J Autism Dev Disord 33:703-707, 2003
3) 井澗知美,上林靖子,中田洋二郎,他:Child Behavior Checklist/4-18日本版の開発.小児の精神と神経 41:243-252,2001
4) McLennan JD, Lord C, Schopler E:Sex differences in higher functioning people with autism. J Autism Dev Disord 23:217-227, 1993

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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