文献詳細
短報
ベンゾジアゼピンの関連が推測された老齢初発のspike-wave stupor
著者: 門家千穂12 細川清3 高橋正幸4 藤本明1
所属機関: 1独立行政法人岩国医療センター 2さぬき市民病院精神科神経科 3万成病院 4県立岡山病院
ページ範囲:P.1027 - P.1031
文献概要
“Spike-wave stupor”は両側同期性棘徐波複合bilateral synchronous spike and waveの頻回,連続性の出現と,それに相応するなんらかの精神変調を呈する病態を指して,NiedermeyerとKhalifeh6)が,てんかんの治療経過中に例外状態として提唱したことに始まる。細川は,本邦において,てんかんの既往もなくこの状態が唯一の精神神経学的な表出である症例や,中枢神経疾患の慢性経過中などにまれに出現することがあることから,棘徐波重積状態症候群spike-wave status syndrome2)を提唱した。
今回,病因はなお不明であるが,高血圧,多発性脳梗塞の既往のある69歳のやや高齢の男性が,不眠を主訴としてベンゾジアゼピン服用中,強直間代発作後にspike-wave stuporに合致する状態を呈した。その臨床経過を述べ,若干の考察を行いたい。
参考文献
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