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文献詳細

雑誌文献

精神医学49巻12号

2007年12月発行

オピニオン 労災適用の問題

ストレス評価―ライフイベント研究より

著者: 夏目誠1

所属機関: 1大阪樟蔭女子大学大学院

ページ範囲:P.1201 - P.1204

文献概要

はじめに

 ストレス測定は判断指針7)の中でも重要な判断基準になっている。それは指針が成因の理論として「ストレス-脆弱性」モデル1)を採用しているからである。そしてストレス評価は,2つの軸のうちの1つの軸をなしている。もう一方の軸は反応性・脆弱性である。ここで強調できるのは,現在の医学のレベルでは反応性・脆弱性の自然科学に基づく測定法がないのに対して,ストレス強度は,かなりのレベルで測定が可能であることである。測定がポイントになってくるゆえんである。

参考文献

1) 原田憲一:疾病の病因論―脆弱性―ストレス学説の系譜.産業精神保健 8:8-15,2000
2) Holmes TH, Masuda M:Life Change and Illness Susceptibility. In:Dohrenwend BS, Dohrenwend BP ed. Stressfull Life Events:Their Nature and Effects. John Wiley, New York, 1974
3) Holmes TH, Rahe RH:The Social Readjustment Rating Scale. J Psychosom Res 11:213-218, 1967
4) 夏目誠,村田弘,藤井久和,他:勤労者におけるストレス評価法(第1報)―点数法によるストレス度の自己評価の試み.産業医学 30:266-279,1988
5) 夏目誠:勤労者におけるストレス評価法(第2報).産業衛誌 42:107-118,2001
6) 労働省労働基準局補償課 編:精神障害の労災認定.労働調査会,pp248-250,2000
7) 労働者労働基準局長通達「心理的負荷による精神障害等に係る業務上外の判断指針」 平成11年9月14日 基発第544号,1999
8) Turner RJ, Wheaton B:チェックリスト法を用いたストレスフルライフイベントの測定.Cohen S, Gordon LU, Kessler RC 原著,小杉正太郎 監訳,ストレス測定法.川島書店,pp39-81,1999

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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