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文献詳細

雑誌文献

精神医学49巻12号

2007年12月発行

オピニオン 労災適用の問題

労災認定にかかわる産業医の見解

著者: 宮本俊明1

所属機関: 1新日本製鐵株式会社君津製鐵所 労働・購買部

ページ範囲:P.1209 - P.1211

文献概要

はじめに

 わが国では労働安全衛生法の規定により,常時50人以上の従業員を雇用する事業者は産業医を選任しなければならず,常時1,000人以上(指定の有害業務などにあっては500人以上)の従業員を雇用する事業者は産業医を専属で雇用しなければならない。産業医の選任義務のある事業場には,産業医のカウンターパートとなる衛生管理者を事業場専属で選任する義務もある。産業医の職務として最低限求められている活動はもっぱら疾病の予防活動であり,労災認定に係る産業医の役割というものは特に規定はない。産業医は事業場においては,労使双方に対して平等に責任を負っている。つまり,健康管理の実施主体である企業と,自己管理の実施主体である労働者の双方に対して公正な医学専門家の立場から支援を行うことになる6)

参考文献

1) 厚生労働省:心理的負荷による精神障害等に係る業務上外の判断指針.1999
2) 厚生労働省:精神障害による自殺の取扱いについて.基発第545号.1999
3) 黒木宣夫:出来事と精神障害発症の因果関係に関する調査報告.精神障害を引き起こすストレス調査に関する研究(平成18年度委託研究報告書).日本産業精神保健学会,pp57-78,2007
4) 宮本俊明:リストラ環境下におけるメンタルヘルスケア.産業ストレス研究 8:193-196,2001
5) 宮本俊明:産業医と精神科医の見解が異なったケース.産業精神保健 14:6-8,2006
6) 宮本俊明:産業精神保健の展開.日本産業精神保健学会 編,高田勗 監修,産業精神保健マニュアル.中山書店,pp56-60,2007
7) 労働省労働基準局補償課.業務上疾病の認定の基本的考え方.精神障害等の労災認定.労働調査会.pp26-40,2000

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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