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文献詳細

雑誌文献

精神医学49巻12号

2007年12月発行

オピニオン 労災適用の問題

労災をめぐる訴訟の動向―個人基準説と客観基準説

著者: 黒木宣夫1

所属機関: 1東邦大学医療センター佐倉病院精神神経医学

ページ範囲:P.1212 - P.1214

文献概要

はじめに

 精神障害の労災補償状況は毎年,報告されているが,精神障害の労災請求件数は1998年度までは年間0~42件であり,件数は少なかった。しかし,労災認定の判断指針が公表された1999年度は155件,以後は急激に増加し,2006年度の請求件数は819件(自殺請求176件)で,同年度には205件が認定されており,2005年度(127件)に比べ全体の認定件数は61%も増加した。このように労災請求件数の増加は,仕事で精神障害に罹患したという意識を持つ労働者および遺族が増えたということであろうが,労災認定に携わる筆者は,業務と精神障害発症との因果関係の考え方,いわゆる業務起因性の考え方を再考する目的で私見を述べる。

参考文献

1) 平成7年(行ウ)第11号遺族補償年金不支給処分取消請求事件 名古屋地裁
2) 平成15年(行ワ)第18号遺族年金等不支給取消請求事件 名古屋地裁
3) 平成15年(行ウ)第31号遺族補償年金等不支給決定処分取消請求事件 福岡地裁

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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