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文献詳細

雑誌文献

精神医学49巻12号

2007年12月発行

書評

―アラン・ホブソン 著,村松太郎 訳―ドリームドラッグストア―意識変容の脳科学 フリーアクセス

著者: 渡邊衡一郎1

所属機関: 1慶應義塾大学

ページ範囲:P.1277 - P.1277

文献概要

 これまで数多の研究者達が精神病の発症メカニズムについて唱えているが,本書の中で筆者は,これについて理解するための最もよいアプローチ方法は,正常人の精神病とも言うべき夢の神経生理学的メカニズムを知ることであると書き,精神病症状や夢,依存性物質による精神症状を中心にさまざまな意識変容について述べている。

 Delay,Denikerがクロルプロマジンの抗精神病効果を発表したのが1952年,翌年にREM睡眠が発見され,奇しくもこの時期に非合法な幻覚剤による意識変容がアメリカで流行したという。1950年代前半に注目を集めたこの3要素について,筆者はきわめて明快に,またそれが違和感なくしっくりと理解できるように関係づけて論じている。この分野における第1人者である筆者ならではの造詣の深さが感じられ,評者は読後改めて脳機能に対する関心が深まった。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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